上郷温水路群
- 建物・施設
上郷温水路群は、秋田県の象潟町に位置し、昭和初期に建設された日本初の温水疏水路の総称です。
鳥海山からの冷たい雪どけ水は冷水被害の原因となっており周辺地域の米の収穫に影響を及ぼしていました。そこで水温を上げるため、水路の幅を広く、水深を浅くし、多くの落差を設けて空気と混ぜる構造の水路群を建設しました。この施設により、水温が徐々に上昇し、安定的な米の収穫が可能になるなど地域住民の生活向上に大きく寄与しました。
長岡・大森・水岡・小滝・象潟の5本の各温水路からなり、総延長は5.8キロメートルの上郷温水路群。その歴史的価値は認められており、「日本土木学会選奨土木遺産」、「疏水百選」に選定されています。秋田県の象潟町にも歴史ロマン溢れる場所があります。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
PHOTO:PIXTA