【大屋駅】請願碑 解体
- 文化・教育施設
大屋駅は、1896年に地元住民の請願によって開業した日本初の「請願駅」として知られます。
駅前には「大屋停車場碑」が建てられ、漢文で請願運動の経緯が刻まれています。
当地に駅が存在しなかった当時、地域で生産される生糸を輸送するために、地元住民が駅設置の請願を行いました。この請願は見事に受け入れられ、大屋駅は横川-軽井沢間が開通した後に開業しました。このような歴史的経緯を有する大屋駅を未来に伝承するために、駅前に「請願碑」が設置されたのが1900年10月とされています。碑は、地元住民の努力とその成果を記念するものであり、地域の産業近代化に貢献した産業遺産と言えそうです。
多くの方々の強い想いが込められている碑ですが、2024年、安全面等の理由から「大屋停車場碑」の撤去が決定されており、同年8月15日から碑の解体作業が始まります。
新たな記念碑の設置が計画されているようですが、現在の請願碑にこそ思い出があるという方も多いのではないでしょうか。既に駅舎も建替済ですが、さらに大屋駅前の景色も変化しそうです。是非一度現地を訪問されてみてはいかがでしょうか?きっと懐かしい記憶が蘇ることでしょう。
(2024年8月執筆)
PHOTO:PIXTA