南禅寺水路閣
- 建物・施設
南禅寺の水路閣は、京都の近代化に重要な役割を果たした琵琶湖疏水の一部として1888年に完成しました。全長93.2m、最大高さ13mのレンガ造りのアーチ橋で、琵琶湖から京都市内へ水を運ぶ役割を担っています。
この建設は、明治維新後の東京遷都により衰退した京都を復興させるために、第3代京都府知事の北垣国道が計画した琵琶湖疏水プロジェクトの一環の立ち位置でした。1890年に第1疏水が完成し、同時に日本初の事業用水力発電所である蹴上発電所も建設されました。
当初、南禅寺は景観を損なうとして水路閣の建設に反対の立場でしたが、現在では寺院の風景に溶け込み、当地ならではの美しさを醸し出しています。今日、水路閣はその建築美で知られ、京都の近代化の歩みを象徴する建造物として多くの人が足を運ぶ場所となっています。ご興味のある方は是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。当地の繁栄に情熱を燃やした先人の想いに触れることができるはずです。
(2024年8月執筆)
お寺と水路という希少な組み合わせは今なお多くの人々を魅了します。
PHOTO:写真AC