旧日立航空機立川工場変電所
- 文化・教育施設
第二次世界大戦中、日本の空を支えた軍用機のエンジンを生産していた日立航空機立川工場。その心臓部とも言うべき変電所は、1938年に建設され、工場に電力を供給し続けました。しかし、激しい空襲に見舞われます。周辺の建物が壊滅する中、変電所は奇跡的にその姿を留めました。
戦後も使用された変電所ですが、1993年にその役目を終え、その後、東大和市の文化財に指定されました。無数の弾痕が刻まれた外壁は、当時の激しい戦況を物語っています。「西の原爆ドーム、東の変電所」と称されるように、戦争の爪痕を如実に残す貴重な歴史的建造物として、現在も多くの人が足を運ぶ場所となっております。旧日立航空機立川工場変電所は、戦争の悲惨さ、平和の尊さ、そして産業の発展の歴史を伝える貴重な遺産といえそうです。是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2024年10月執筆)
無数の弾痕が刻まれた外壁は人々に平和の尊さを訴えかけます。
PHOTO:PIXTA