旧ワシントンハイツ宿舎 解体
- 建物・施設
1946年、旧陸軍の代々木練兵場跡地に、米軍家族のための住宅地として誕生したワシントンハイツ。827戸の住宅に加え、学校や教会、商店も設けられ、まさに「日本の中の小さなアメリカ」として人々の注目を集めました。
1961年、東京オリンピックの選手村として活用されることが決まり、日本への返還が実現。大会後、ほとんどの建物が取り壊され、1967年には緑豊かな代々木公園へと生まれ変わりました。唯一残された建物は「オリンピック記念宿舎」として大切に保存されてきましたが、築80年近くが経ち、老朽化が進んでいました。2025年1月下旬から解体工事が始まり、外観の特徴を残しつつ再建される計画が進んでいます。
ワシントンハイツは、戦後日本の発展とアメリカ文化の影響を物語る貴重な場所といえそうです。現在進行中の再開発を通じて、この歴史的スポットがどのように変容していくのか、多くの人々が見守っています。代々木公園を訪れる際は、この地に刻まれた日本の戦後の歩みに思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。過去と未来が交差する場所で、歴史の重みと新しい時代の息吹を同時に感じることができるはずです。
(2025年2月執筆)