Final 2025年5月14日 記事【多摩川】日野橋 架替のイメージ画像 History 99年

【多摩川】日野橋 架替

  • 建物・施設

多摩川に架かる日野橋は、東京都立川市と日野市を結ぶ重要な橋梁です。その歴史は江戸時代初期にまでさかのぼり、当時は「日野の渡し」と呼ばれる渡船によって人々や物資が多摩川を行き来していました。冬の渇水期には仮橋が架けられ、夏の増水期には渡し船が使われていたと伝えられています。

時代が進み、1926年8月、日野橋が国道8号(現在の国道20号、甲州街道)として開通しました。全長約367メートル、幅7.3メートルの鉄桁橋で、建設費は当時の金額で13万4274円でした。設計はアメリカで経験を積んだ増田淳氏によるもので、自動車交通の増加を見越した先進的なものでした。開通当日は盛大な祝賀会が催され、地域の発展を象徴する出来事となりました。

1964年にはオリンピック開催に伴う交通需要増加への対応して大規模な改修が行われ、歩道の新設など安全性・利便性の向上が図られました。その後も交通量の増加に対応しながら、日野橋は地域の生活と経済を支え続けてきました。しかし2019年の台風19号によって橋脚の一部が損壊し、一時通行止めとなるなど老朽化が顕在化しました。このため、2020年度から架け替え工事が本格的に始まり、約12年をかけて新しい橋への更新が進行していました。そして2025年5月14日には仮橋への交通切り替えが行われ、旧日野橋は99年の歴史に幕を下ろしました。

旧日野橋は、多摩川を越える人々の暮らしと発展を見守り続けてきた、地域のシンボルのひとつでした。その長い歴史と地域貢献に心から敬意を表します。日野橋のファンや歴史に興味のある方は、ぜひ現地に足を運び、その歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

(2025年5月執筆)
PHOTO:PIXTA

同じ都道府県の記事

同じカテゴリーの記事

ファイナルアクセス会社サイトはこちら

残り日数で探す

記事ランキング※24時間以内

Final Access Books

注目コンテンツ これが最後です

都道府県から探す