【金沢市】プレーゴ 営業終了/解体
- 商業施設
金沢市片町1丁目に位置する商業施設「プレーゴ」は、2001年3月に開業しました。かつてこの地にはファッションビル「パルドゥ金沢」がありましたが、閉店後は長らく遊休地となっていました。1998年に「金沢市中心市街地活性化基本計画」が策定され、地元の商工会議所や中小事業者、行政が連携して「金沢商業活性化センター(TMO)」が設立されました。これが日本初のタウンマネージメント機関によるテナントミックス事業となり、パルドゥ跡地の再開発が進められました。
プレーゴは欧風の街並みをイメージした開放的なデザインで、中央のパティオ(広場)を囲むようにファッションや雑貨、カフェ、レストランなどが配置されました。フィレンツェ産の大理石を敷き詰めた楕円形のパティオや、外観の高さを周囲の町並みに合わせる工夫など、その景観は高く評価され、「いしかわ景観大賞」や「金沢都市美文化賞」も受賞しています。
開業以来、プレーゴは片町の賑わいの核となり、地元のみならず富山や福井など近隣県からも多くの来訪者を集めてきました。2012年には施設全体のリニューアルも行われ、個性的なブランドや飲食店が軒を連ねることで、地元住民や観光客に親しまれてきました。
しかし、2023年に土地所有者様が資産整理の一環として土地売却の方針を示し、入札の結果、新たな所有者様の意向により当施設の閉鎖が決定しました。これにより、プレーゴは2026年3月末で営業を終了し、同年6月までに建物が解体され、更地として返還されることが決まりました。跡地の具体的な活用方法は現在検討中です。
四半世紀にわたり、金沢の中心市街地に特別な空間と賑わいをもたらしてきたプレーゴの歴史は、まちづくりの先進的なモデルとして語り継がれるでしょう。そして運営に尽力された関係者の皆様に心より敬意を表します。今なお営業を続ける店舗やこの場所を愛するファンの皆様には、ぜひ現地に足を運び、近い将来消えゆく空間のひとときを味わっていただきたいと思います。
(2025年5月執筆)
PHOTO:PIXTA