【金沢港】厚生食堂 閉店
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金沢港の厚生食堂は、1975年に創業者様が「船員厚生食堂」として創業したことに始まります。当初は地元漁師や船員のための食堂として、港の新鮮な魚を使った料理を提供し、働く人々の胃袋を支えてきました。その後、ご子息様が店を継ぎ、親子二代で切り盛りするようになります。
1990年代以降、金沢港いきいき魚市が近隣にオープンしたことで観光客も増え、厚生食堂は地元住民や漁師だけでなく、遠方からの来訪者にも親しまれる存在となりました。新鮮な魚介を使った定食や海鮮丼、カキフライなど豊富なメニューが評判を呼び、週末には行列ができるほどの人気店となりました。
2020年代に入ると、店主の高齢化や建物の老朽化、などさまざまな事情が重なり、2025年5月20日をもって50年の歴史に幕を下ろすことが決まりました。最終営業日には開店前から100人以上が列をなし、常連客や学生、観光客が別れを惜しみました。
厚生食堂は、金沢港の労働者や地域住民の日常に溶け込み、安心できる味と温かなもてなしを提供し続けてきました。新鮮な魚と家庭的な雰囲気は、多くの人々の思い出に刻まれています。半世紀にわたり食と憩いの場を守り続けてきた厚生食堂の運営に、心から敬意を表します。この場所で味わった魚の美味しさや、店主との何気ない会話は、これからも多くの人々の記憶に生き続けることでしょう。
(2025年5月執筆)
この光景に懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。
PHOTO:PIXTA