札幌パークホテル 閉館/解体
- 商業施設
札幌パークホテルは、1964年に「ホテル三愛」として札幌・中島公園の一角に誕生しました。創設の背景には、北海道への国際観光客誘致や、札幌でのオリンピック開催に備えた国際水準の宿泊施設整備という時代の要請がありました。1966年には経営主様は移転し、名称も「札幌パークホテル」と改められました。
開業以来、札幌パークホテルは国内外の賓客や皇族を迎え、1972年の札幌冬季オリンピックでは国際オリンピック委員会の本部ホテルとしても利用されました。さらに、2000年には国際青年会議所世界会議やアジア国連軍縮会議など、多くの国際会議の舞台となるなど、札幌の社交場・コンベンションホテルとしての地位を確立してきました。
その立地は、札幌市民にとって「オアシス」と称される中島公園に隣接し、四季折々の自然と調和した景観、そしてきめ細やかなホスピタリティで長年親しまれてきました。結婚式や宴会、記念行事の舞台としても多くの人々の思い出が刻まれています。
しかし、建物の老朽化が進み、より現代的なニーズに応えるため、2027年2月28日をもって札幌パークホテルは営業を終了し、建て替えられることが決定しました。新たなホテルは世界的ブランド「ヒルトン」として生まれ変わる予定ですが、開業時期は未定です。また、札幌市が進める大規模国際会議施設の整備とも連動した再開発が計画されています。60年以上にわたり、札幌パークホテルは地域とともに歩み、数々の歴史的瞬間を見守ってきました。その運営主様に深い敬意を表するとともに、多くの人々がこの場所で過ごしたかけがえのない時間を、心の中で振り返る機会となることでしょう。
(2025年6月執筆)
PHOTO:PIXTA