グランドプリンスホテル新高輪 営業終了
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1982年の開業以来、40年以上にわたり国内外の賓客を迎え入れてきた「グランドプリンスホテル新高輪」が、品川駅周辺の再開発計画に伴い、2026年度中にその歴史に幕を下ろすことが決まりました 。
このホテルは、日本を代表する建築家、村野藤吾氏の晩年の傑作として知られ、柔らかな曲線を描く客室バルコニーが連なる優美な外観は、高輪の丘の象徴的な存在でした 。開業当初は「新高輪プリンスホテル」の名で、国際的な会議や大規模な宴会が開催できる施設として、日本の国際交流の舞台となってきました 。特に、大宴会場「飛天」は、長年にわたり音楽番組「FNS歌謡祭」の華やかな会場として親しまれ、またプロ野球のドラフト会議が行われる「聖地」としても多くの人々の記憶に刻まれています 。数々の著名人の披露宴も開かれ、時代を彩る華やかな舞台であり続けました 。今回の営業終了は、品川駅西口地区の再開発の一環であり、跡地には新たな施設が2032年の完成を目指して建設される予定です 。
長年にわたり、訪れる人々に最高のおもてなしを提供し続けてきたホテルの運営関係者様に、心からの敬意が表されます。ロビーに飾られた大壁画「紅浅間」や、そこから眺める日本庭園の風景は、結婚式や記念日など、多くの人々の大切な思い出と共にあり続けることでしょう。
(2025年7月執筆)
PHOTO:PIXTA