高島屋堺店 閉店
- 商業施設
高島屋堺店は、大阪府堺市において1964年10月に開業しました。高度経済成長期の真っただ中、堺市の商業振興策と南海電鉄の駅ビル開発計画が重なり、南海高野線堺東駅直結という利便性の高い立地に誕生したことが特徴的です。当時としては大阪府下初の郊外型百貨店であり、地域住民にとって新しいショッピング体験を提供する存在となりました。
開業当初から、堺市の発展とともに高島屋堺店も成長を続け、1991年度には売上高が約300億円に達し、最盛期を迎えます。堺店はファッション、食品、生活雑貨など多様な商品を取り揃え、家族連れや幅広い世代の利用者に親しまれてきました。特に食料品売場の改装や大型テナントの誘致など、時代のニーズに合わせた営業努力が続けられました。
しかし、消費環境の変化や競争の激化を背景に、近年は経営の厳しい状況が続いていました。そして2026年1月7日をもって営業を終了するとの報は、多くの人に驚きを寂しさの感情をもって迎えられたようです。
高島屋堺店は、約60年にわたり堺市民の日常に寄り添い、買い物や待ち合わせ、家族の思い出の場として多くの人々に親しまれてきました。駅直結の利便性を活かし、通勤・通学客や近隣住民にとっても生活の一部となっていました。長きにわたり地域社会に貢献してきた高島屋堺店の運営者の皆様に、深い敬意が表されます。近い将来の閉店を迎える今、是非当地に足を運び、お買い物を楽しまれてはいかがでしょうか。
(2025年7月執筆)
PHOTO:PIXTA