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味園ビル 閉館

  • 建物・施設

戦後の復興著しい1956年、味園ビルは建設されました。当時としては斬新なデザインと、キャバレーやダンスホール、宴会場などを備えたその豪華さは大阪っ子の心を捉え、高度経済成長の追い風を受けて、連日多くの人々でにぎわいました。1970年代から1980年代にかけて、味園ビルはバブル景気に沸く大阪の象徴的な存在となりました。その知名度は高まり、当地の華やかな夜を演出してくれました。

バブル崩壊後も、味園ビルは時代の変化に合わせて業態を逞しく変えて力強く歩みます。キャバレーなどの大型娯楽施設は減少する一方、スナックやバーを中心とした個性的な飲食店が立ち並び、ディープスポットとして人気を集めました。昭和歌謡が流れるレトロな雰囲気と、独特な世界観が魅力となり、多くのファンを獲得しました。

2010年代に入り、老朽化が進む味園ビルには解体計画が浮上しました。しかし、多くの反対意見を受け、解体延期が決定。保存・活用に向けた取り組みが開始されました。そして2020年代に入り、新型コロナウイルスの影響や老朽化等も課題も浮上。そして2024年5月に、ビル内のテナント飲食街が年内に閉店することが当局より正式に発表されました。ビルの解体の可能性も依然として残されているようです。

華やかだった時代から、ディープスポットとして愛された現在まで、大阪の変遷を映し出す鏡のような存在とも言えそうです。先行きは不透明ですが、当たり前であった景色に終わりが近づいているのかもしれません。是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。

(2024年5月執筆)

 

見慣れた景色は永遠ではないのかもしれません。

PHOTO:PIXTA

人気映画「味園ユニバース」。当地もゆかりの地のようです。

味園ユニバース

永久保存版としてお手元に確保されてはいかがでしょうか?

 

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