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二水会館

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常総市に位置する「二水会館」は、1913年に水海道町役場として建設された歴史的建造物です。設計は地元の棟梁である上高金四郎、施工は皆葉浦之助が手掛けました。当時は水運から鉄道へと物流の主役が交代する転換期にあたり、この建物は新しい時代への進取の気風を示す地域のシンボルでした。

建築様式には際立った特徴があります。木造平屋建てでありながら、外観は窓を上下二段に配置し、胴蛇腹を巡らせることで二階建てのように見せる工夫が凝らされています。また、表側は洋風、裏側は和風という二重構造を持ち、明治期の擬洋風建築の流れを汲む意匠が随所に見られます,。

1984年には現在の常総市立図書館敷地内へと移築され、鬼怒川と小貝川の二つの河川にちなんで「二水会館」と命名されました。近代における地方官庁建築の優れた実例として評価され、1997年には国の登録有形文化財に登録されています,。

時代の変遷の中で一度は解体の危機に瀕しながらも、移築保存を決断し、今日までこの貴重な文化遺産を守り抜いてこられた関係者の皆様には深く敬意が表されます。歴史ファンの皆様も、明治・大正のロマンを色濃く残すこの名建築を、ぜひ現地で体感してみてはいかがでしょうか。

(2025年12月執筆)

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