【根室本線】 幾寅駅 廃駅
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根室本線(JR北海道)の幾寅駅(北海道空知郡南富良野町字幾寅)が鉄道駅としての歴史の幕を下ろします。2016年の台風被害の影響で根室本線の一部区間(富良野駅 – 音別駅間)が不通となっており、以前から廃線がささやかれていましたが、残念ながら鉄路としての部分廃線の正式決定がなされました。新しい交通路線としてバス転換が実施され、それに伴い当駅は鉄道駅としては廃駅となります。
アイヌ語の「ユクトゥラシペッ」からその名が由来する幾寅駅の開業は1902年12月6日。北海道官設鉄道十勝線の駅としてその歩みが始まりました。その後、官設鉄道への移管・所属線の変更・幾寅森林軌道の開業と廃止・国鉄分割民営化・駅舎の無人化などの歴史を繋ぎます。以来長きに渡り地域の大切な駅として活躍してきました。単式1面1線ホームを擁する地上駅ですが、かつては島式ホーム状の2面が存在した堂々たる駅でした。
映画「鉄道員」の舞台となった駅として有名で、駅構内には実際に映画で使われたセットや車両の一部が展示されています。木造駅舎はノスタルジックな雰囲気を醸し出し、この駅舎を見るために全国からファンが訪れる場所となっています。「私は高倉健さんの大ファンです。映画”鉄道員(ぽっぽや)”で登場する”幌舞駅”の看板を見るために何度も足を運びました。高倉健さんもお亡くなりになりましたし、ついに鉄道駅としての歴史が終わるということで本当に寂しいです。多くの思い出をいただきました。長きに渡りありがとうございます。」東京都在住の映画ファンの女性の言葉です。
地域住民の皆様や鉄道ファンのみならず映画ファンにとっても大切な場所であった幾寅駅。一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。大切な思い出が一つ追加されるはずです。
(2022年2月執筆)
映画「鉄道員」でおなじみのだるま食堂です。
厳しい冬の営みが心に染み入ります。
長い間本当にお疲れ様でした。
PHOTO:PIXTA
高倉健氏の代表作のひとつです。
この機にご覧になってはいかがでしょうか?