八幡製鉄所 名称変更
- 建物・施設
北九州市にある八幡製鉄所(福岡県北九州市戸畑区飛幡町1-1)が、120年の歴史を経て2020年4月に「九州製鉄所八幡地区」に名称変更します。
同製鉄所は、1901年官営八幡製鉄所として操業を開始し、2012年に現在の日本製鉄に属する製鉄所になりました。2014年に小倉製鉄所を統合した後も八幡製鉄所の名称は継続されていました。八幡地区では薄鋼板と、一部の条鋼・鋼管の製造拠点になっており、小倉地区では主に、棒鋼や線材を生産しています。敷地面積は1,112万平方メートルに及び、同製鉄所の4資産は2015年に世界遺産に登録されています。
日本製鉄は、製造現場の効率化を高めるために、全国に16ある製鉄所や製造所を6製鉄所に組織再編すると発表しており、明治以来の長い歴史を持つ八幡製鉄所の名称が消えることになりました。官営八幡製鐵所発祥の地の八幡東区では、毎年11月に「起業祭」と題した祭りが開かれており、名称の消滅を惜しむ声が聞かれたということです。
(2019年11月執筆)
由緒ある名称の変更は時代のひとつの区切りとなりそうです。
歴史と思い出が詰まった施設です。
日本経済発展の礎ともいえる八幡製鉄所。その名前は永遠に記憶されてゆくことでしょう。
PHOTO:PIXTA