函館本線 塩屋駅 鉄道駅として廃駅
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JR北海道函館本線の塩谷駅(北海道小樽市塩谷2丁目)が鉄道駅としての歴史の幕を下ろします。北海道新幹線の札幌延伸(2030年度予定)に伴い、JR北海道から経営分離される函館線は並行在来線としてその処遇が協議されてきました。そして7つの関係自治体がバス転換を受け入れたとの正式発表がありました。この決定により函館本線の部分廃線(長万部駅~余市駅)は先立って確定していましたが、小樽―余市間の扱いが注目されていました。そして正式に小樽―余市間のバス転換の合意がなされました。この区間に存在する塩谷駅は鉄道駅としての歴史の幕を下ろすことになります。まだ未確定ではありますが、廃駅は2029年秋頃が目途になりそうです。
塩谷駅は、1903年に北海道鉄道の一般駅として開業。ここが当駅の鉄道駅としての起源となります。開業後は地域の交通の要所として活躍。国有鉄道への移管・函館本線への所属・北海瓦斯会社小樽工場への専用線敷設・国鉄所属・貨物/荷物取扱い廃止・JR北海道への所属などの歴史を繋ぎます。
相対式ホーム2面2線を擁する地上駅で、線路上にかかる跨線橋の存在も特徴的です。かつては貨物側線・貨物ホームを有し、現在の2番線の末端部にその名残を確認できます。駅名は地域名に由来しますが、アイヌ語の「スヤ」「ソヤ」という言葉がその名称の由来となっている説が有力です。
「北海道民に人気の塩谷丸山。この山の登山の際に塩谷駅を利用したことがあります。最近は車を利用して登山に臨んでいましたが、この度の廃線のニュースを聞き、塩屋駅を利用した登山の計画を立て始めました。この駅は映画ロケにも登場したことがあります。”男はつらいよ 寅次郎相合い傘”の中に寅さん、リリィ、パパさんら三人が駅で夜を明かすシーンがあるのですが、このシーンは塩屋駅と聞いております。もう一度この映画を観なおさないといけないですね。廃駅まで時間がありそうなので必ず何回か足を運ぶつもりですよ。」札幌市在住の登山愛好家様の言葉です。
ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2022年3月執筆)
綺麗な小屋風の駅舎が利用者を守ります。
懐かしい思い出が甦る方も多いのではないでしょうか。
長きに渡る歴史の最終コーナーを回りました。
PHOTO:PIXTA
在りし日の塩谷駅が登場します。
永久保存版としてお手元に確保されてはいかがでしょうか?