【旧陸軍第一技術研究所】伊良湖試験場
- 建物・施設
伊良湖試験場は、愛知県田原市に存在した旧陸軍第一技術研究所の射撃試験場です。1901年に開設され、1945年の終戦まで、日本陸軍の使用する大砲や弾薬がここで試験されました。
当時の日本国内には十分な射撃試験場がなく、兵器開発の遅れが懸念されていました。そこで、太平洋に面し、広大な射程距離を確保できる伊良湖半島先端が試験場候補地として選定されました。
試験場では、海岸砲をはじめとする各種火砲の射撃試験が行われました。また、弾薬の威力を測定するための弾着観測所や、射弾軌道を計算するための測量施設なども設置されました。これらの施設は、当時の最新技術を駆使して建設されており、戦争遂行に重要な役割を果たしました。
終戦後、伊良湖試験場は米軍に接収され、一部施設は爆破されました。その後、跡地は返還され、現在は一部が史跡として整備されています。残存する施設や資料は、戦争の歴史と技術革新の歩みを静かに語りかけます。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。平和の尊さを訴え続ける戦争遺跡はきっとあなたに大切なことを教えてくれるはずです。
(2024年1月執筆)
平和の尊さを伝えてくれる貴重な史跡です。
PHOTO:写真AC