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【飯田線】温田駅舎 解体か

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飯田線の温田(ぬくた)駅は、長野県下伊那郡泰阜村に位置し、1935年に三信鉄道の終着駅としてその歴史を刻み始めました。1937年の飯田線全通を経て、1943年には国有化され、地域住民の重要な移動手段となりました。1955年12月に建築された現在の趣ある木造駅舎は、約70年にわたり多くの旅人や地元の人々を静かに見守り続けてきました。

当駅は泰阜村にありながら、天竜川対岸の阿南町の玄関口としての役割を担っています。阿南高校への通学生や阿南病院への通院者、さらに売木村や飯田市街地方面へのバス乗り換え拠点として、地域社会の交通結節点であり続けました。また、近隣の南宮神社で8月に行われる国の選択無形民俗文化財「下伊那のかけ踊(榑木踊り)」の会場へのアクセス地でもあり、地域の伝統文化を支える文化的な要衝として、祭礼の際には多くの人々を迎えてきました。

しかし、2024年4月にJR東海から泰阜村に対し、「駅舎のスリム化」を図るための取り壊し意向が伝えられました。2025年6月の段階では、JR側の社内協議がまとまり次第、村へ相談し同意を得て解体を進めるという回答がなされています。現時点で具体的な解体予定日やファイナルイベントの詳細は決定していませんが、村や駅周辺の温田商栄会などは、JRの方針定着を待ち、今後の対応について本格的な検討を進めるとしています。

長きにわたり地域の暮らしと文化を支え、安全運行を守り続けてくださった運営主の皆様に深く敬意を表します。ファンの皆様も、この木造駅舎が刻んだ日々の記憶と風景を、今一度心に留めてみてはいかがでしょうか。

(2025年12月執筆)

PHOTO:PIXTA

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