馬曲温泉 営業終了
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長野県木島平村の山あいに佇み、北アルプスを望む絶景で多くのファンを魅了した馬曲温泉が、2025年11月24日、37年にわたる歴史に幕を下ろします。地域に愛された名湯の軌跡を振り返ります。
馬曲温泉の歴史は、村の地域振興を目的とした1970年代の計画的な開発調査から始まりました 。1982年に待望の源泉が湧出し、1988年に日帰り入浴施設「馬曲温泉公園」として本格開業します 。露天風呂から望む四季折々の雄大なパノラマは「絶景」と称賛され、人気は瞬く間に全国へ広がりました 。1991年には年間来場者数がピーク時には約25万人を超え、村を代表する観光拠点として多くの人々の憩いの場となりました 。
しかし、施設の老朽化は深刻な課題となっていきます。来場者数が減少する中、2025年3月には内湯の天井が腐食により崩落 。さらに、燃料費や電気料金の高騰が経営を圧迫しました 。億単位と見込まれる大規模改修は困難と判断され、営業終了という苦渋の決断に至ったようです。37年間、訪れる人々に素晴らしい癒やしと感動を与え続けてくれた馬曲温泉。その運営に尽力された関係者の皆様に、心からの敬意と感謝を表します。
あの湯に浸かりながら眺めた忘れられない景色と、そこで過ごした穏やかな時間を、心の中で振り返ってみてはいかがでしょうか。
(2025年10月執筆)
PHOTO:PIXTA







