【山口線】上郷駅舎 取壊
- 乗り物
- 建物・施設
山口線の上郷駅は、山口市小郡の地に位置し、地域の交通と人々の生活を長きにわたり支えてきた歴史を持っています。開業は1914年(大正3年)11月2日で、山口線が小郡(現在の新山口)から山口方面へ延伸された際に誕生いたしました。当初は、周辺の農業や林業といった産業の物流、そして地域住民の移動手段として重要な役割を担っており、大正から昭和初期にかけての地域の発展に不可欠な基盤となりました。
駅舎は、地域の歴史を見守ってきた木造の平屋建てで、開業当初の趣を今に伝えています。その簡素ながらも風格のある姿は、地域の方々にとっての心の風景となってきました。しかしながら、この貴重な歴史的建造物である駅舎は、老朽化が進んでいることから、JR西日本により建替工事が正式に発表されました。現駅舎の撤去(取り壊し)は、令和8年1月〜令和8年3月に予定されており、令和8年秋までに新駅舎が建設される予定です。地域のシンボルの一つが姿を消すことへの惜しむ声も多く聞かれます。
近年、周辺地域は住居表示の変更があり、かつての地名「上郷」は行政上の区画からは姿を消しましたが、駅名としてはその歴史を留め続けています。この駅が地域の歴史に果たした役割と、永続的な価値は計り知れません。貴重な歴史遺産の保存と公開に努める関係者の皆様には、深く敬意が表されます。歴史が織りなす物語の舞台へ、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2025年10月執筆)
PHOTO:PIXTA







