半田赤レンガ建物
- 建物・施設
1889年、「丸三ビール」と名づけられた瓶詰めビールが、半田から初出荷されました。これが後のカブトビールです。半田赤レンガ建物は、1898年に丸三麦酒株式会社の醸造工場として建設されました。明治建築界の三巨匠の一人、妻木頼黄により設計され、ドイツから最新の醸造機器を導入して創建。そして半田生まれの「カブトビール」の製造が始まりました。
当時、大都市の4大ビールメーカーが市場を独占する環境下の果敢な挑戦でした。その後、戦時中には中島飛行機製作所の衣糧倉庫として使用され、実際に北側の壁には米軍機による弾痕が残っています。戦後は日本食品化工のコーンスターチ加工工場となるなど、様々な用途で使用されてきました。2004年には国の登録有形文化財に登録され、2009年には近代化産業遺産に認定されました。
現在、半田赤レンガ建物は日本の近代化産業を象徴する貴重な遺産として、また地域の歴史を伝える記念碑的建造物として高い価値を持っています。半田生まれの幻の「カブトビール」。是非一度現地に足を運び、魅力あふれる歴史ロマンを感じ取ってみてはいかがでしょうか。
(2024年8月執筆)
歴史ロマン溢れる美しい建物です。
PHOTO:PIXTA
明治建築界の巨匠、妻木頼黄。氏の手がけた建物です。
永久保存版としてお手元に確保されてはいかがでしょうか?