道新ビル 取壊
- 建物・施設
道新ビルは、北海道新聞社の本社として1963年、札幌市中央区大通西3丁目に完成しました。時代は高度経済成長期。ビル内には同年9月、約700席を有する「道新ホール」も開設されました。道新ホールは当初、講演会や学会など限られた用途で利用されていましたが、やがて演劇や音楽、映画、ダンス、落語、ファッションショー、地元団体の発表会など、幅広いイベントに活用されるようになりました。札幌市内に文化施設が少なかった時代、多くの市民や文化関係者が集い、地域文化の発展を支えてきました。
しかし、建物の老朽化が進んだことから、北海道新聞社は新たな本社ビルを大通東4丁目に建設し、2024年11月に移転しました。これに伴い、道新ビルと道新ホールは2024年6月30日をもって閉館し、2025年4月中旬より解体工事が始まる予定です。跡地にはオフィスやホテル、商業施設を備えた複合ビルが建設される計画です。
長きにわたり札幌の文化とともに歩んできた道新ビルと道新ホール。かつての賑わいや思い出の数々が、今も多くの人々の心に残っているとのこと。それぞれの記憶を振り返りながら、別れの時を迎えることとなりましたが、地域を代表する景色を忘れたくないものです。
PHOTO:PIXTA