Final 2026年3月31日 記事名鉄バスセンター 営業終了のイメージ画像

名鉄バスセンター 営業終了

  • 乗り物

名古屋駅の象徴的な風景の一つ、ビルへとバスが駆け上がるらせん状のスロープを持つ名鉄バスセンターが、半世紀以上にわたる歴史に幕を下ろします。

1967年、日本初の本格的バスターミナルビルとして誕生。当時、駅周辺10ヶ所に散らばっていたバス乗り場を集約するという画期的な構想のもと、日本を代表する建築家、谷口吉郎氏の設計により建設されました。百貨店やホテルも内包する先進的な複合施設は、中部圏の交通と経済の発展を力強く支えてきました。開業当初は近郊路線が中心でしたが、地下鉄網の発達に伴い、次第に全国を結ぶ高速バスの拠点へとその役割を変え、地域の暮らしの変遷を映し出してきました。

今回の閉鎖は老朽化が理由ではなく、リニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅の再開発計画によるものです。2026年3月に営業を終了し、約7年間の仮設営業期間を経て、2033年度には再開発ビル内に新たなバスターミナルとして生まれ変わる予定です。

半世紀にわたり、安全な運行で名古屋の発展を支え続けてこられた名古屋鉄道株式会社をはじめとする関係者の皆様に、心からの敬意を表します。あのスロープを上る時の高揚感、待合室の喧騒。閉鎖の日まで、この場所を愛した多くの人々が、それぞれの心に刻まれた思い出を振り返ることでしょう。まだ少し時間がありそうです。ぜひ消えゆく景色を記憶するためにバスの旅路を計画してみてはいかがでしょうか。

(2025年10月執筆)

PHOTO:PIXTA

同じ都道府県の記事

同じカテゴリーの記事

ファイナルアクセス会社サイトはこちら

残り日数で探す

記事ランキング※24時間以内

Final Access Books

注目コンテンツ これが最後です

都道府県から探す