【美祢線】南大嶺駅 鉄道駅として廃駅
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南大嶺駅の歴史は、1905年に日露戦争下の国家的要請を受けて「伊佐駅」として産声を上げたことに始まります。戦後の石炭ブームに乗り、日本の経済成長を支える全国有数の貨物拠点として黄金期を迎えましたが、1970年の大嶺炭鉱閉山というエネルギー革命の波を受け、その存在意義を大きく揺るがされました。
その後、1997年の大嶺支線廃止で分岐駅としての役割を終え、1986年には駅員が配置されない無人駅となり、翌1987年の国鉄分割民営化に伴い、JR西日本の所属となりました 。後にかつての駅舎は取り壊され、旧乗務員詰所を改装した小さな建物が新たな駅舎となりました 。静かなローカル線の無人駅として時を刻んできましたが、2023年の豪雨災害が致命的な打撃を与え、その影響で鉄路としての118年の歴史に幕を下ろすことが決まりました。今後は鉄道敷を活用したBRTが、地域の新たな足としてその役割を引き継ぎます。
長きにわたり地域の発展を支え、人々の暮らしを結び続けてくれた運営者並びに関係者様に、心からの敬意が表されます。車窓から眺めた風景、ホームで待ちわびた列車の音、そこで交わされた出会いや別れの数々が、多くの人々の記憶の中で走り続けることでしょう。
(2025年8月執筆)
この光景に大切な思い出をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
多くの方々の大切な思い出を詰め込んでその歴史の幕を下ろします。
PHOTO:PIXTA