Final 2025年8月31日 記事広島市立中央図書館 閉館のイメージ画像 History 61年

広島市立中央図書館 閉館

  • 文化・教育施設

広島市立中央図書館の歴史は、広島という都市の歩みそのものを映し出してきました。その起源は1926年、旧広島藩主・浅野長勲が設立した私立「浅野図書館」に遡ります。1931年には市へ寄贈され、市民が共有する知の拠点としての歴史が始まりました。

1945年8月6日、原子爆弾により建物は全焼し、蔵書の大部分が失われましたが、疎開されていた貴重な「浅野文庫」は奇跡的に戦禍を免れ、広島の文化的な命脈を未来へと繋ぎました。戦後の1955年に国泰寺町で再建された後、1974年に中央公園内の現在地へ移転し、「広島市立中央図書館」として新たな章を開始しました。

この緑豊かな場所で過ごした約半世紀、図書館は多くの市民にとってかけがえのない存在でした。学生たちが試験勉強に励む自習室、親子が絵本の世界に親しむ憩いの空間、そして被爆都市の記憶を継承し平和を発信する学びの場として、静かに、しかし確かに人々の暮らしに寄り添ってきました。

しかし、建物の老朽化という時代の流れには抗えず、その歴史に一つの区切りが訪れます。現図書館は2025年8月31日の開館を最後に、JR広島駅前の商業施設「エールエールA館」への移転準備のため長期休館に入ります 。閉館を前に、これまでの歩みを振り返る企画展などが開催され、別れを惜しむ最後の機会が設けられています 。新しい図書館は2026年度に開館予定です 。

長きにわたり、この場所で知の光を守り育んできたすべての関係者に心からの敬意を表します。そして、この図書館に思い出を持つ多くの人々にとって、閉館は一つの時代の終わりを意味するでしょう。自習室の静けさ、借りた本の匂い、窓から見えた公園の緑。それぞれの心に刻まれた記憶を、今一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

(2025年8月執筆)

PHOTO:PIXTA

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