【三宮】センタープラザ 取壊か
- 商業施設
神戸市中央区の三宮センター街に位置する複合商業施設、「センタープラザ」、「センタープラザ西館」、「さんプラザ」は、日本の高度成長期に神戸の顔として誕生しました。最も古い「さんプラザ」は1970年に、続いて「センタープラザ」は1972年に、そして「センタープラザ西館」は1978年に開業しています。当時の壮大な計画は、単なる商業機能を超えた、市民の生活と娯楽を支える複合的な都市インフラの創出を目指していました。
1995年の阪神・淡路大震災では、大きな被害を受けながらも、早期復興を願う人々の選択により、全館建て替えではなく短期的な修復がなされました。この決断は、震災からの迅速な日常回復を優先する、当時の切実な状況を反映したものです。この歴史的な経緯が、現在の老朽化という構造的課題に繋がっているという側面もあるようです。
建設から半世紀が経過した現在、三施設は老朽化に加え、周辺で進む大規模な再開発との競争に直面しています。こうした状況を受け、神戸市も支援する形で、三施設の建て替えに向けた本格的な議論が進められています。この再開発は、単なるビルの更新に留まらず、三宮センター街の商業軸としての地位を守り、未来へと繋ぐための重要な転換点と言えそうです。
まだ詳細が確定しておりませんが、現在の景色は近い将来消滅する可能性が高くなってきました。長年にわたり、この地で数えきれない人々の暮らしと記憶を育んでこられたことに対し、深い敬意を表します。ゆかりのある方はぜひ一度当地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2025年9月執筆)
PHOTO:PIXTA