[宗谷本線] 抜海駅 廃駅か
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JR北海道_宗谷本線の抜海駅(北海道稚内市抜海村字クトネベツ)が廃駅となる可能性が高まっています。2020年3月末に宗谷本線活性化推進協議会が、2021年春の当駅の廃止を容認したようです。
1924年に鉄道省天塩北線(稚内駅-兜沼駅間)開通に伴い一般駅として開設しました。ここが当駅の歴史の始まりです。そのあと1926年の天塩南線と天塩北線の統合、1930年の天塩線の宗谷本線への編入、1949年の日本国有鉄道への移管、1987年の国鉄分割民営化などを経て、現在に至るまで歴史を繋いできました。
「抜海」は地名であり、アイヌ語の「子を背負う」という意味の「パッカイペ」と関係があります。抜海市街のはずれにある抜海岩に由来する地名でもあるようです。
相対式ホーム2面2線のホームを持つ地上駅、列車交換も可能な無人駅(稚内駅管理)。そして無人で木造駅舎を擁する日本最北の駅です。周辺にはなにもない高台に立地し、眼下に美しい海を見下ろし、遠方には利尻富士の愛称でおなじみの利尻山を望めます。駅舎にはかつての歴史を記す写真なども飾られ、温かい雰囲気に満ち溢れます。映画『南極物語』の撮影にも使われた有名な駅舎であり、ファンが日本全国に存在するようです。
長きに渡る歴史の閉幕の可能性が高まっています。ゆかりのある方もそうでない方も一度現地を訪問されてはいかがでしょうか?北の大地の絶景と鉄路の歴史ロマンを確かめることができるでしょう。
(2020年6月執筆)
多くの方の思い出が詰まった木造駅舎です。
懐かしい思い出が蘇る方も多いのではないでしょうか。
美しい営みが永遠の記憶になるかもしれません。
PHOTO:PIXTA
高倉健氏主演の名作「南極物語」。この駅もロケ地になっております。永久保存版になることでしょう。
このシーンの撮影地こそ当駅です。
追記・・廃駅可能性が著しく高まっていた同駅ですが、JR北海道の発表によると2021年春の廃駅のリストに当駅は含まれておりません。(2020年12月)
追記・・稚内市によると市費による抜海駅の維持管理は終了するとのことです。(2022年6月)
VIDEO : Final Access ファイナルアクセス