【函館本線】 蘭越駅 鉄道駅として廃駅
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JR北海道函館本線の蘭越駅(北海道磯谷郡蘭越町蘭越町853)が鉄道駅としての歴史の幕を下ろします。北海道新幹線の札幌延伸(2030年度予定)に伴い、JR北海道から経営分離される函館線は並行在来線としてその処遇が協議されてきました。そして7つの関係自治体がバス転換を受け入れたとの正式発表がありました。この決定により函館本線の部分廃線(長万部駅~余市駅)が確定しました。この区間に存在する蘭越駅は鉄道駅としての歴史の幕を下ろすことになります。まだ未確定ではありますが、廃駅は2029年秋頃が目途になりそうです。
蘭越駅は、1904年に北海道鉄道の一般駅として開業しました。ここが当駅の鉄道駅としての起源となります。開業後は地域の交通の要所として、国有鉄道への移管・国鉄分割民営化・駅員無配置駅への移行・簡易委託化などの歴史を繋ぎます。以来長きに渡り蘭越町の中心駅として活躍してきました。
跨線橋で結ばれた相対式ホーム2面2線を有する地上駅。アイヌ語で「カツラの群生するところ」という意味をもつ「ランコウスィ」という言葉が当地の名称の由来であるそうです。
「私は豊かな自然に満ち溢れた蘭越町の大ファンでこの駅にはよく足を運びます。美しいニセコ連峰や驚くほど綺麗な尻別川まで素晴らしい自然環境に恵まれた場所です。魅力的な温泉もあるのですよ。かつて蘭越駅はとても多くの人であふれる実に賑やかな駅であったのです。鉄道駅としての歴史の幕が下ろされることになったとニュースで知りすぐに現地を訪問しました。昔に比べると少ないですが、それでも一定数の人々が現在でも利用する駅のため地域への影響が危惧されます。残りの時間、可能な限り現地を訪問しますよ。」札幌市在住の鉄道ファンの言葉です。まだ時間はありそうです。ご興味のある方は一度現地に足を運ばれてはいかがでしょうか。
(2022年2月執筆)
国鉄時代の雰囲気にあふれた駅舎です。
当たり前であった景色にも時間的な限りがあります。
美しい歴史の閉幕に向かっていよいよ最終コーナーに差し掛かりました。
PHOTO:PIXTA