鹿追町立新然別小学校 閉校
- 文化・教育施設
鹿追町立新然別小学校(鹿追町字上然別西11線)がその歴史に幕を下ろしたのは1969年(昭和44年)3月末のことです。創立は1922年(大正11年)、47年の歴史を誇った学び舎です。当時、学校は地域の人たちの寄付で建てられることが当たり前でした。初めにこの地域の人々が建てた学校は、行政区域の変更で学校区が分断され、地元の子供たちが通えなくなってしまったそうです。新しく作られた当校は、あきらめずに学校を求め続けた地域の人たちの強い気持ちが実った結果でした。厳しい自然環境にある当校の歴史は、困難の連続で、安全な飲み水の確保や冷害による困窮などを乗り越えて営まれてきました。
当校が築かれたのは然別川と多くの支流が作り出した広大な丘陵地の一隅でした。碁盤の目状に続く耕作地の中を国道133号線で進めば、国道からから少し入ったところに、現在でも当時の建物が残されています。学び舎としての役割を終えた後、地域の人たち集う公民館としてとして活躍しているようです。校地の向かい側の高台から臨めば、大雪山系の山々を背負って学び舎が佇むという趣深い風景を見ることができるでしょう。
思い出をお持ちの方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。厳しい自然の中で大切に紡がれてきた人々の思いを感じ取れるかもしれません。
(2021年3月執筆)
確かにここに学び舎が存在した。その証です。
かつては地域の子供たちの賑やかな声が響いていたことでしょう。
地域の学び舎を守り抜いた先人達の強い想いを引き継ぎたいものです。
PHOTO:poteto089aaa様