【筑豊本線】飯塚駅舎 解体/取壊
- 乗り物
- 建物・施設
福岡県の筑豊地域に位置するJR飯塚駅は、1893年に筑豊興業鉄道の駅として開業して以来、地域の歴史と共に歩んできました 。かつては日本の近代化を支えた筑豊炭田の石炭輸送の心臓部として、人や物資が行き交う活気の中心地でした 。
しかし、1960年代のエネルギー革命で炭鉱が次々と閉山すると、駅の役割は石炭輸送から地域住民の足へと大きく変化しました 。現在、多くの人々の思い出が刻まれている駅舎は、その過渡期である1970年に建てられたものです 。築55年を迎えたこの駅舎は老朽化が進み、エレベーターがなく市街地を東西に分断する構造が、現代のまちづくりにおける課題となっていました 。
この長年の課題を解決するため、飯塚市とJR九州は駅の全面的な再整備に着手しました 。現在の駅舎は2025年8月頃に解体が始まる予定です。計画では、2025年7月にまず東口の新駅舎が完成し、その後、西口や駅全体をつなぐ自由通路の工事が進められ、2026年度末の全体完成を目指すようです。
この歴史的な事業を推進する関係各位の尽力に、心から敬意を表します。通学や帰省で利用した駅舎が姿を消すのは寂しいですが、窓から見えたぼた山の風景と共に、その記憶は多くの人の心に残り続けることでしょう 。
(2025年5月改筆)
長きにわたり親しんだ景色とのお別れです。
PHOTO:PIXTA
映画『猫と私と、もう1人のネコ』は、家族の介護を担う女子高生・櫻が、野良猫との出会いを通じて心の傷と向き合っていくヒューマンドラマ。全編を福岡県で撮影し、飯塚の風景も登場。思春期の葛藤と再生を、やさしく丁寧に描いた作品です。
美しい当地の景色も楽しめる作品です。この機会に是非ご覧になってはいかがでしょうか。