芦安堰堤
- 建物・施設
芦安堰堤は、山梨県南アルプス市芦安字芦倉地先に位置する御勅使川に設置された砂防堰堤です。1916年から1926年にかけて、内務省直轄砂防事業として建設されました。高さ22.6m・長さ105m・幅25mのスペックを誇り、下流側には砂防ダムが設置されています。
堰堤本体にコンクリートを使用して築造された日本初の砂防堰堤です。上段アーチ式、下段重力式とする国内で希少な構造を有し、練石積みの表面の仕上げなどに時代の特徴がよく表れています。
御勅使川の水量調節や土砂流出の防止、下流の地域の安全に大きく貢献している芦安堰堤。機能面のみならずその歴史的な価値も評価されており、土木学会より「選奨土木遺産」に認定されています。山梨県南アルプス市にも歴史ロマン溢れる産業遺産があります。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2024年1月執筆)
PHOTO:PIXTA