明延鉱山
- 建物・施設
兵庫県養父市にある明延鉱山は、平安時代初期に開坑されたとされる歴史ある鉱山です。1300年以上の長い間、銅・銀・鉛・錫などの鉱物を産出し、日本の近代化に貢献してきました。
明治時代には官営となり、その後民間企業に払い下げられました。最盛期には4000人以上の従業員を擁し、映画館や浴場などの娯楽施設も整備され、活気ある鉱山町を形成していました。1912年に建設された「明神電車」は、鉱石を運搬するために使われていましたが、1952年からは乗客も乗せるようになり、「一円電車」として親しまれました。しかし、資源価格の下落等を理由として1987年には閉山を迎え、かつての活気は失われました。
現在は、坑道の一部が観光用に公開され、当時の様子を体感することができます。また、「明神電車」や「明延鉱山探検坑道」などの近代化産業遺産も認定されており、日本の鉱業史を知る上で貴重な存在となっています。
ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。歴史ロマン溢れる鉱山の記憶はきっとあなたに大切な何かを伝えてくれるはずです。
(2024年1月執筆)
在りし日の営みの記憶です。
PHOTO:写真AC