伊丹市立演劇ホール 閉館
- 文化・教育施設
伊丹市立演劇ホール(AI・HALL)は、1988年11月に兵庫県伊丹市のJR伊丹駅前に開館した総合文化施設です。伊丹市の文化都市政策の一環として設立され、舞台芸術専門の劇場として関西演劇界の中心的な役割を果たしてきました。最大300席のイベントホールとカルチャールームを備えた多目的ホールとして運営されました。ホールは舞台と客席の床の高さを自由に設定できる床昇降機構を採用し、創造的な演劇活動を支援するための設備を備えています。
演劇教育にも力を入れており、1996年から「伊丹想流私塾」を主催し、戯曲執筆講座を提供。2017年には「伊丹想流劇塾」と改め再スタートしました。さらに、2012年から「次世代応援企画 break a leg」を実施し、演劇・ダンスの若手劇団を支援していました。その活動は高く評価され、2005年には第1回JAFRAアワード、2014年には文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞しています。
近年、アイホールは大規模な改修費用の課題や市民利用率の低さなどを理由に存続の危機に直面していましたが、伊丹市は2025度末で閉館する方針を正式に固めた模様です。長きにわたり当地の文化芸能の発信地であった施設に残された時間は長くはありません。ぜひ現地に足を運んで、ここで上演される演劇や舞台芸術の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。
(2024年12月執筆)
PHOTO:PIXTA