記事ラサ島鉱業所のイメージ画像

ラサ島鉱業所

  • 建物・施設

沖縄本島から約360km離れた北大東島。ラサ島の別名で呼ばれた、この小さな島には、日本の近代化を支えた重要な鉱山が存在しました。それがラサ島鉱業所です。

当地でリン鉱石が発見されたのは1887年。その後、1911年に採掘が始まり、ラサ島燐鉱合資会社が設立されました。当時、日本は肥料原料となるリン鉱石を海外に頼っており、ラサ島の発見は大きなニュースとなりました。その後、大手企業傘下に入った後、ラサ島鉱業所は最盛期を迎えます。年間約20万トン弱ものリン鉱石が産出され、日本の肥料生産に大きく貢献しました。採掘によって島の人口も増加し、学校や病院などの施設も整備されました。

しかし、1944年のアメリカ軍による攻撃によってラサ島鉱業所は閉山。戦後も再開されることなく、1967年にラサ工業株式会社は解散しました。

現在も、各所に鉱業所運営の跡がその姿を残し、かつての営みを感じることができます。南海の孤島に眠るリン鉱石は、日本の経済発展に大きく貢献しただけでなく、島の歴史にも深い足跡を残しました。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。絶海の孤島の歴史ロマンに触れる貴重な機会になるはずです。

(2024年4月執筆)

かつての営みを感じ取れる貴重な産業史跡です。

PHOTO:写真AC

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