上田池堰堤
- 建物・施設
上田池堰堤は、兵庫県南あわじ市にある淡路島初の農業用ダムです。1932年に竣工し、農業用ダムとしては日本一の高さを誇る41.5m。堤頂長120m・貯水容量1,300万㎥の石積み式重力式ダムです。
淡路島は水源となる高い山がなく、河川も少ないため、地域住民は生活に必要な水を確保するのに苦労をしてきました。上田池堰堤は、淡路島の農業用水の確保のために建設されたもので、完成後は島内の農業発展に大きく貢献しました。その歴史的価値が評価され土木学会選奨土木遺産にも登録されています。
市松模様の透かし彫りの高欄や扁平連続アーチの溢流部など、細部にまでの拘りを感じられる堰堤も一見の価値があります。その美しい姿は周囲の自然と調和し、観光スポットとしても大人気です。さらに上田池堰堤は、阪神淡路大震災の際にも大きな被害を受けることなく、その堅牢さを証明したことでも知られます。
淡路島の歴史・文化を象徴する建造物である上田池堰堤。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか?
(2024年1月執筆)
その美しい佇まいは今なお多くの人々を魅了します。
PHOTO:PIXTA