Final 2012年3月31日 記事真室川町立平枝小学校 閉校のイメージ画像 History 49年

真室川町立平枝小学校 閉校

  • 文化・教育施設

木のぬくもりに包まれた学びやと地域が抱く熱い想い

山形県最上郡真室川町大字差首鍋に位置していた真室川町立平枝小学校は、豪雪地帯の厳しい自然の中で地域とともに歩んできた歴史ある学びやです。1949年(昭和24年)から1950年(昭和25年)頃に分校から独立校としての歩みを本格化させ、1965年(昭和40年)には豪雪期の児童を支えた「谷地の沢冬季分校」が閉校となりました。その後、1997年(平成9年)3月に木のぬくもりあふれる新校舎が完成し、翌1998年(平成10年)3月には新体育館が落成しました。敷地面積16,674平方メートルを誇る木造美の映える施設は、集落全戸が「学校の応援団」として温かく見守る中で、地域の願いと誇りの象徴として15年間にわたり親しまれました。


平枝少年番楽と民話語りが育むふるさとの心

平枝小学校の教育には、約220年前の江戸時代中期から伝わる町指定無形民俗文化財「平枝番楽」が深く結びついていました。1973年(昭和48年)に地区全戸が加入する保存会が立ち上がった後、1980年(昭和55年)から学校と連携した「平枝少年番楽」が始まりました。児童たちは授業やクラブ活動で獅子舞や先舞、鳥舞などの演目やお囃子を学び、旧暦8月1日の神明神社例大祭や伝承祭で堂々と披露しました。また、「平枝ふるさとクラブ」による民話語り活動も活発に行われ、隣の新庄市出身の著名な俳優・庄司永建氏が応援に駆けつけ、児童たちの語りを温かく励ましたエピソードも心温まる記録として残されています。


60年余の歴史に寄せる誇りと巡り続ける絆の輪

少年番楽を通じて郷土の文化を身につけた児童たちは、卒業後も地域に留まり保存会の若い担い手へと成長していきました。かつて舞いやお囃子を教わった子どもたちが大人になり、今度は次の世代の児童へ指導を行うという見事な人間ストーリーと伝承のサイクルが完成しました。少子化に伴い、同校は2012年(平成24年)3月に60年以上の歴史に幕を下ろし、同年4月に安楽城小学校や差首鍋小学校と統合して「真室川町立真室川あさひ小学校」が開校しました。伝統芸能の継承活動は統合校へも引き継がれ、今も子どもたちの豊かな「本物体験」として大切に育まれています。


受け継がれる平枝の精神と未来へ紡ぐ物語

閉校となった校舎や体育館は、現在も選挙の投票所や大雨時の指定避難所として重要な役割を果たしているほか、地域のスポーツ・健康づくりの場として幅広く開放されています。さらに、文部科学省の「みんなの廃校」プロジェクトを通じた利活用公募や、伝統野菜「甚絶え芋」の交流会、スタディツアーの拠点として利活用され、今なお地域住民が集う温かな交流の場であり続けています。校舎という形が変わっても、集落全戸で子どもたちを育んだ記憶と郷土愛の精神は風化することなく、未来へと確実に受け継がれています。

(2026年9月執筆)

 

地域の方々に愛された学び舎でした。

 

卒業生・先生・地域住民など関係者様の心の中に、美しい思い出が永遠に記憶されますように。

PHOTO: 廃校5000 様

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