飯豊町立手ノ子小学校 閉校
- 文化・教育施設
山形県飯豊町、かつて越後街道の要衝・手ノ子宿として栄えた地に位置する飯豊町立手ノ子小学校は、1873年に源居寺を仮校舎として開校しました。以来、幾多の変遷を経て、1964年に現在の高台へ移転し、2013年には中津川小学校との統合を果たしました。交通の要所として多くの人材を輩出し、地域社会の核として機能してきました。
特筆すべきは、地域文化と児童の深い関わりです。子供たちは和太鼓演奏や、地元の手ノ子八幡神社に伝わる獅子舞の学習などを通じて地域の伝統を継承し、文化祭などでその成果を披露して地域を活気づけてきました。また、豪雪地帯ゆえにクレーンを用いた屋根の雪下ろしが行われるなど、厳しい自然環境に対応した独自の管理体制も特徴的でした。
しかし、少子化の進行と義務教育学校「いいでの森学園」開校へ向けた再編計画により、2026年3月をもってその歴史に幕を下ろすこととなりました。閉校後は、同年4月より第二小学校へ統合される予定です。ファイナルイベントとして、2025年10月に学校開放イベントが行われ、同年11月22日には閉校記念式典が盛大に執り行われました。
153年の長きにわたり、地域教育の灯を守り続けた学校と運営に尽力された関係者の皆様に深く敬意を表します。学び舎は役割を終えますが、この地で育まれた絆と記憶は、卒業生や教職員の皆様の心の中で、いつまでも色褪せることなく輝き続けることでしょう。
(2025年12月執筆)







