大久野島
- 建物・施設
瀬戸内海に浮かぶ大久野島は、現在は生息するウサギで有名な観光地ですが、かつては地図から消された秘密の島でした。
古代から人が住んでいたこの島は、日露戦争を契機に要塞化され、1925年には陸軍省によって毒ガス製造工場が建設されました。イペリットやルイサイトなどの毒ガスが製造され、その製造過程で多くの人々が犠牲となりました。
終戦後、製造は中止され、施設は爆破されました。その後、毒ガス処理作業が行われ、1984年には資料館が開館し、戦争の悲惨さを語り継ぐ場所となっています。かつて小学校で飼育されていたウサギが放たれ、個体数を増やしていったとの説もあります。現在では島内には多くのうさぎの愛らしい姿が見られ、「うさぎ島」の愛称で親しまれます。
大久野島は、毒ガスの歴史と平和の大切さを伝える場所であり、同時に自然と動物との触れ合いを楽しめる観光地として、新たな歴史を刻みます。ご興味のある方は一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。悲惨な歴史をしっかりと見つめた後には可愛らしいウサギがあなたを歓迎してくれるはずです。
(2024年1月執筆)
負の歴史を未来に伝えつづける貴重な戦争遺跡です。
PHOTO:PIXTA
ウサギ好きの方には必見の作品のようです。
是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。