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浅川地下壕

  • 建物・施設

東京都八王子市にある浅川地下壕は、高尾駅南西側の山稜に陸軍浅川倉庫として掘られ、中島飛行機の地下工場となった巨大な地下壕です。総延長は約10kmに及び、太平洋戦争末期の1944年~1945年に、中島飛行機武蔵製作所の疎開工場として、当地がその場所として選定され、掘られたという史実が残ります。

多くの人々が劣悪な環境の中で過酷な労働を強いられながらも短期間で完成し、1945年6月には機械の搬入が始まり、約300台の機械と4,000人の工員によって操業が開始されました。しかし、湿気や低温による体調不良や低い生産性など、多くの課題が未解決のままの操業であったそうです。

終戦をむかえた1945年8月17日に操業は停止し、地下工場は閉鎖されました。戦後は様々な用途に利用されましたが、いずれも頓挫しました。恒常的な一般公開などはされていませんが、現在も保存活動などが行われています。浅川地下壕は、戦争の悲惨さを伝える貴重な歴史遺産です。戦争の教訓を未来に語り継ぐことが求められそうです。

(2024年4月執筆)

PHOTO:写真AC

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