達曽部川橋梁
- 建物・施設
岩手県の達曽部川橋梁(岩根橋)は、釜石線の春山駅・宮守駅間、一級河川・達曽部川に架かる鉄道橋です。1915年に岩手軽便鉄道によって建設された鋼板桁橋を、1943年の改軌工事に合わせて鉄筋コンクリート製のカテナリーアーチ橋に改築したものです。
達曽部川橋梁は、戦時中の困難な状況下で、工期と材料を短縮するために旧橋梁を包み込んで改築するという、当時画期的な工法が採用されたことで知られます。橋の長さは若干縮小されましたが、橋脚や橋台はそのまま使用され、旧橋梁の雰囲気を残しつつ、その歴史を今に伝えます。
その歴史的・技術的価値は高く評価されており、土木学会の選奨土木遺産に選定されています。また、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の舞台とも呼ばれ、今なお多くの人が訪れています。岩手県の近代土木史を物語る貴重な遺産です。是非一度現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2024年1月執筆)
PHOTO:PIXTA
父親の視点から宮沢賢治氏を描いた直木賞受賞作「銀河鉄道の父」の映像化作品です。
この機に名作に触れてみてはいかがでしょうか。