東京海上日動ビル本館 解体/取壊
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東京・丸の内で初の高層ビル、「東京海上日動ビル」の解体が正式に発表されました。建設から約半世紀を経過し「災害対応力や環境性能等の強化」を理由に、建替えが正式決定。2023年度内の解体、28年度の新ビル完成が計画されているとのことです。
当ビルの完成は1974年。高さが約99.7mの25階建て。赤茶色の格子形状の外壁が特徴です。設計は昭和建築界の巨匠、前川國男氏。氏がその生涯で手掛けた唯一の超高層建築がこの「東京海上日動本館ビル」です。周辺には高層ビルが存在しない時代。国会やメディアを巻き込んだ美観論争が巻き起こりました。単なる高層ビルの建築にとどまらず、人々が集う公共的なスペースにこだわった前川氏の強い思いはその後の高層ビル建築に多大な影響を及ぼしました。
「赤茶色のタイルが張られた格子状の外壁。歴史を感じさせる美しいデザインはこのあたりでもひときわ目を引きます。新卒で入社した会社が近くであったため、思い出は数知れず。辛いとき、嬉しいとき一人でお堀まで足を伸ばした時に通りかかる建物でした。私の人生を彩ってくれたビルといえます。解体までまだ時間があるようです。このビルをしっかり意識して思い出を作ろうと思います。」丸の内に拠点を構える会社に勤務するビジネスマンの言葉です。
(2021年4月執筆)
多くの思い出をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
高層ビルが立ち並ぶ周辺地域においても存在感があります。
長きに渡りありがとうございます。
PHOTO:i-flower様/PIXTA
戦後の日本建築史の巨匠、前川國男氏。
永久保存版の書籍としてお手元に確保されてはいかがでしょうか?
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