旧西村山郡役所
- 建物・施設
旧西村山郡役所は、1878年に郡区町村編制法の公布に伴い、寒河江村南町に建設されました。驚くべきことに、8月10日に建築棟梁が任命されてから12月7日の開庁まで、わずか4ヶ月という短期間で完成しました史実で知られます。
この建物は、木造2階建、両翼1階建で、面積は319.7平方メートルの建物です。洋風の装飾柱やバルコニーと、寄棟造や和紙貼壁を組み合わせた和洋折衷の擬洋風建築で、現存する郡役所建築の中で全国で3番目に古いもの。1886年には、同じ敷地内に郡会議事堂が建設されました。時代の変遷とともに、これらの建物は様々な用途に使用されてきました。1981年には、長岡山の寒河江公園内に移設復元され、「寒河江市郷土館」として保存されることになりました。
現在、旧西村山郡役所と旧西村山郡会議事堂は、山形県指定有形文化財として、明治初期の行政施設の姿を今に伝える貴重な歴史的遺構とされます。郷土館では、建物自体の歴史的価値に加え、縄文土器や石器などの考古学資料も展示されており、歴史ファンが全国から足を運ぶとのこと。明治時代の息吹を感じられるこの歴史的建造物を訪れ、和洋折衷の建築美と当時の行政の中心としての役割を確かめてみてはいかがでしょうか。
（2025年3月執筆）
PHOTO:PIXTA
