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五ヶ瀬ハイランドスキー場 廃止

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日本最南端の天然スキー場としての誕生と隆盛

1977年(昭和52年)に宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町でスキー場の構想が持ち上がり、1985年(昭和60年)に町事業として本格始動しました。そしてバブル絶頂期の1990年(平成2年)12月、向坂山の北斜面に日本最南端の天然スキー場として華々しく開業しました。ゲレンデからは阿蘇五岳などの大パノラマや美しい雲海、樹氷が望め、豊かな広葉樹の原生林に囲まれた自然の宝庫として親しまれました。1994年(平成6年)に「株式会社五ヶ瀬ハイランド」が設立され、1998年(平成10年)には第三セクターへ移行しました。ピーク時の1993年度(平成5年度)には約9万1,816人の来場者を記録し、山あいの町は大きな活気に包まれました。

 

地域と歩んだ感動の記憶とユーモア溢れる交流

当スキー場は南九州の国体予選会場となり、2002年(平成14年)にはスノーボードも全面解禁され、若者たちの歓声が響きました。開発により一時期は渓流のホタルが姿を消したものの、その後の自然の再生力により、ホタルの姿が少しずつ戻る様子も見られました。また、2013年(平成25年)以降に制作されたユニークなテレビCMは大きな話題を呼び、町長や地元の中学生、スタッフも出演して山村の温かい人情を全国へ届けました。

 

相次ぐ自然災害と暖冬による苦渋の廃止決定

2004年(平成16年)や2022年(令和4年)の台風災害による休業を乗り越え、2024年(令和6年)12月に3シーズンぶりの営業再開を果たしました。しかし、近年の記録的な暖冬による雪不足に加え、人工造雪機の老朽化に伴う多額の設備更新費用や、廃止する場合にも約5億円の費用が見込まれることなどが町の財政にとって大きな重荷となりました。昨シーズンの来場者数は約1万5,000人に低迷し、2026年(令和8年)7月7日、町議会においてスキー場の廃止が正式に可決されました。

 

35年余りの歴史への感謝と未来への歩み

バブル期から現代まで南国九州の冬を彩り、多くの人々に感動と雪上の歓声を提供し続けた五ヶ瀬ハイランドスキー場は、35年余りの歴史に静かに幕を下ろします。これまで台風災害や近年の深刻な雪不足といった数々の困難に直面しながらも、ゲレンデの維持に尽力してきた関係者様の足跡は、地域の歴史に深く刻まれています。今後は登山やトレッキングの場として、豊かな森が本来の静寂とともに、未来へ健やかに引き継がれることが検討されています。

(2026年7月執筆)

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